迎英里子

山内祥太
photo by Takuya Matsumi

1990年生まれ。2015年京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。屠畜や石油の採掘、国債の仕組みなど、世の中に存在する不可視の現象=システムをモチーフとし、そのメカニズムを等身大の装置へ変換し、動作させることでシステムを実際に作動させるパフォーマンス作品を制作している。

主な展覧会

  • 2025 / 豊田市美術館 / 開館30周年記念コレクション展「VISION 星と星図 | 星図Ⅱ:独りと、集団と」
  • 2025 / 京都市京セラ美術館ザ・トライアングル / 個展「approach 3.1」
  • 2024 / 旧地球回廊 軍需工場跡(岐阜)/ 「土から生える24」
  • 2023 / anonymous bldg(東京) / 個展「approach 13.1」
  • 2022 / 墨会館・小信中島公民館 / 国際芸術祭「あいち2022」
  • 2020 / 秋田県立近代美術館 / 「ARTS & ROUTES -あわいをたどる旅-」
  • 2017 / TOKAS 本郷 / OPEN SITE 2017-2018「不純物と免疫」

迎英里子はこれまで、特定の制度やプロセスが成立する構造をリサーチし、その構成要素を高度に分解・抽象化することで作品を制作してきた。その多くは、オブジェやツールの配置と、それらを稼働させるパフォーマンスの様子を記録したドキュメントとの組み合わせによって成立している。観客は、上演後に残された痕跡を、上演と同じ空間、同じ条件のもとでインスタレーションとして鑑賞し、かつて稼働していた彫刻群とその記録を照らし合わせながら、全体の構造を把握することができる。
今回、Ladder Projectにおいて彼女を推薦した理由は、これまで作品のなかで周到に設計されてきたこうした関係性が、アートフェアという枠組みのなかでは、これまでとは異なるかたちで立ち現れるのではないかと期待したためである。それは、もしかすると「自律した彫刻」として結晶化するかもしれないし、あるいは反対に「残らない上演」として完全に消え去ってしまうかもしれない。そうした両極端な可能性を視野に入れながらも、最終的には「迎さんなら大丈夫なんじゃない?」という、推薦者3名の強い合意があったことも申し添えておきたい。

statement 2026 推薦委員 堤拓也(ICA京都プログラム・ディレクター/京都芸術大学准教授)