

PROJECTS 02
ファッション サブスクリプションチーム
座談会
ファッション
サブスクリプションチーム
座談会
デジタル事業開発部では、2021年3月にオンラインの新規事業として、ファッションサブスクリプションサービス「AnotherADdress(アナザーアドレス)」をスタートしました。ブランドファッションを定額で借りることができるもので、これまでの百貨店にはなかった全く新しいサービスです。
サービスの立ち上げに取り組むチームのメンバーのうち、田端竜也さん(2011年入社)、窪川有咲さん(2013年入社)、橋本一毅さん(2013年入社)、高橋諒大さん(2019年入社)の4人に、チームの取り組みや、新規事業を開発することの苦労について語っていただきました。
ファッションサブスク事業で
新たな価値を創造する
――ブランドファッションを定額でレンタルできるサービスは、百貨店としては新しい取り組みです。どのようなビジョンを描いているのでしょうか。
バブル以前、百貨店産業は小売の王者と言われるほど力強い成長をしてきましたが、バブル後、ファストファッションやECといった大きな時代の流れに乗れず非常に厳しい状況となっています。その中で、モノを「買う」から「共有」するという消費者心理の変化はそれらに通じる大きな変化であると私たちは捉えており、その流れに今度は乗り遅れないようにしなければいけないと考えています。近年急速に普及している動画配信サービスなどを筆頭に“情報”は当たり前のように多くの人が所有せずにサブスクライブするようになりました。ただ、“モノ”をサブスクライブすることを大成功させている企業はまだありません。将来的に“モノ”をサブスクライブさせる企業といえば、第1に名前が上がる企業として名前が上がるようなサービスを創造していきたいと考えています。その第一歩が今回立ち上げる、ファッションのサブスクリプションサービスです。
――直感的に「買う」と「共有」するは相反するもののように感じますが。どのように考えているのでしょうか?
音楽がストリーミングでいつでも、どこでも、CDを購入しなくても楽しむことができるようになったことで、そのアーティストや曲を楽しむ人の裾野が広がるとともに、レコードのジャケットやコンサート、ライブの価値が再認識されています。その結果、より洗練された、ストーリーやこだわり詰まった“モノ”はしっかりと消費者の心を捉え、購入にも繋がっています。短絡的には確かに「共有」することは「購入」を妨げるかもしれませんが、私は粗悪な物やストーリーのないものが淘汰されて、本当にいい物作りがなされているものは「共有」によって「買う」が促進されると考えています。そもそも、立ち上げる前から既存事業への影響を過度に考えて縮こまっていたら、新規事業なんてできないです。
――チームの中でのみなさんの役割と、これまでのキャリアをそれぞれ教えていただけますか。
私はプロジェクト全体の設計とコントロールをする事業責任者として、立ち上げからずっと関わっています。もともと細胞生理学といった畑違いの理系人間ですが、入社後に国内と海外の2つの大学院でMBA(経営学修士)とMOT(経営管理工学修士)を取得しました。社内では研修期間後は、J.フロントリテイリングの事業開発畑を一貫して担当しています。なので、社内外から百貨店っぽくないよねといつも言われてます…。
私は3月のローンチに向けてUIやUXの設計を担当し、エンジニアとクリエイティブディレクターの橋渡しをしながら、サービスの全体像を作り上げてきました。サービスが始まると、お客様とのコミュニケーション(CRM)や広報的(PR)な役割も担当します。百貨店で広告やWEBコンテンツの企画制作を経験して、この事業の公募に手を挙げて、メンバーとして参加しました。
私は商品の買い付けや品揃えといったいわゆるバイヤーの領域を担当しています。以前は大丸東京店で販売促進の企画立案担当でした。もともと、バイヤーになりたくてこの会社に入ったこともあり、会社からの派遣で1年間ファッションビジネススクールに通ってファッションビジネス全体を学んだ経験もあります。私は、20年9月の定期異動からチームに加わっています。
私は入社以来、大丸札幌店の売場で紳士用品の販売を担当していましたが、入社1年半でこの部署に異動しました。青天の霹靂ですね(笑)。チームでは、服をお届けする際の段ボールやハンガーなど、お客様との接点となる物品を設計するといった資材の設計・管理を任されています。また、サービス立上げ後に事業のデータを分析し、サービスを改善したいくデータサイエンスの領域を担当するために、現在はその技能習得を日々努力しています。